2023.11.25 amazarashi Live Tour 2023「永遠市」@東京ガーデンシアター
こんにちは、乾井です。
11月25日、amazarashiのライブツアー『永遠市』の東京公演に参加してきました。
例によってその感想をつらつらと書き連ねていく回です。
今回はかなり後の方の日程での参加だったので、あまり詳細には書かず
簡潔に記していきたいなと思ってます。思ってるだけです。
たぶんクソ長記事になります。はい。
以下ネタバレのオンパレードです。
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セトリ
1.俯きヶ丘
2.インヒューマンエンパシー
3.下を向いて歩こう
4.ディザスター
5.14歳
6.無題
7.つじつま合わせに生まれた僕等(2017)
8.スワイプ
9.君はまだ夏を知らない
10.月曜日
11.海洋生命
12.超新星
13.自由に向かって逃げろ
14.空に歌えば
15.美しき思い出
16.ごめんねオデッセイ
17.アンチノミー
多い!!!!!!
はい。何かライブに行く度に曲数増えてる気がします。
いつかも言いましたけど、キーが高くてハイカロリーなamazarashiの曲をほぼノンストップでこれだけの数歌いきる秋田ひろむの喉は本当にどうなっているんでしょう。やばずぎる。
前回の無人で披露された『カシオピア係留所』と『クレプトマニア』『まっさら』の3曲がセトリ落ち。
個人的な感想ですが、今作(アルバム『永遠市』)はボイコットの『未来になれなかったあの夜に』、七ロスの『1.0』みたいなインパクトのあるキラーチューンがなく全曲が割と平坦であるという印象を抱いていたのに加えて、『クレプトマニア』に関しては代わりに(?)恐らく今後そうそうライブで聴ける機会は得られないであろう『海洋生命』が聴けたのでここに関してはあまり不満はないです。
それよりも何よりも、前回の騒々しい無人がアコースティックということもあってかなり外向きというか、メッセージに寄ったセトリだったのと対照的に、「ロックバンド」として「音楽」を聴かせることを重視したようなセトリだなと感じました。
無人の時は秋田ひろむの言葉や声がぐさぐさ突き刺さって終始号泣していましたが、今回は純粋に音楽ライブとして楽しい、体を動かしたくなるようなセトリでした。ていうか何ならめちゃくちゃ動いてた。隣の人、迷惑だったら本当にごめんなさい。
あとはそうだな、アルバム全体が平坦な印象を抱いていたと言いましたが、過去作を含めたこのライブのセトリと曲順をもって『永遠市』という一つの作品が完成したんだな、とも感じました。
”「どうせ僕なんか」が武器になった その方法は過去作にある”
『下を向いて歩こう』のこの歌詞をまさに体現しているようなセトリだったと思います。終盤のⅯⅭでも言っていましたが、タイアップや色んな要因があってのこととは思いますがかなり余所行きというか、秋田さん自身の言葉を借りるなら”格好つけていた”曲が多かったように思えていたところで、原点回帰とでもいうべきか、秋田ひろむ自身の生活や感情を色濃く反映した新旧の楽曲たちがとても良いバランスで選ばれていて、互いに関わり合いながらライブという一つの作品を紡いでいく、そんな風に感じて私はとても好きなセトリです。
諸々のアレンジや久々の(ロック)バンド編成でのライブということなど全部ひっくるめて、ロックバンドとしてのamazarashiの魅力を強く感じました。楽しい、格好いい、やっぱamazarashi大好き!!! そんな感じです。
以下、各曲のもう少し詳細な感想を綴っていきます。
開演前~俯きヶ丘
開演30分ほど前に入場し、待機をしていました。
ボイコットやロスボでは紗幕演出があったので今回も何かしらあるのかなあと紗幕を眺めていましたが、10分前、5分前、3分前と時間が過ぎても映像が始まる兆しはなく。BGM(? リハというか、楽器の生音だったかも、記憶が曖昧)だけが流れていたところで暗転し、『俯きヶ丘』のイントロが始まりました。
アルバムの曲順は久々のポエトリー始まりではなかったのでセトリがどうなるんだろうと思っていたけどここは変わらないんだなあ、なんて考えていましたが……。
秋田さんの声の出と音響が最高で、心臓に直で響いてくるようなバンドの迫力に一発でテンションがぶち上がりました。これよこれ、amazarashiのライブの醍醐味は!
アコースティックのしっとり感もいいけど、この音圧でぶん殴ってくる感じ、たまらん!ってところでいつもの「青森から来ました」の口上、そして拍手。これを味わえるからライブは好きです。
インヒューマンエンパシー~下を向いて歩こう
てるてる坊主がガラスに頭突きをしまくる軽くホラーな紗幕映像と、『俯きヶ丘』から引き続いて絶好調な秋田ボイスを爆音で浴びていました。強いて言えばエコーのせいで若干低音が聴きとりづらかった気がするけど、そんなの言い出したらキリがないし、そもそもケチをつけるようなレベルのものでもありませんでした。
個人的な話ですが、”この世の余所者として”って感覚、とても共感できると思ったきっかけがあって、『とどめを刺して』や『火種』に比べてかなり思い入れの深い曲になっていたので、私の心を掴むにはこれ以上ない始まりでした。
インヒューマンのアウトロ、掻き回しからシームレスに『下を向いて歩こう』へ。
アルバムで聴いた時点から想像がついていた流れではあったし、演奏も歌唱も何にもケチをつけるようなところがなかったので単純に聴いていて楽しかったです。
”やり残しや言い残しはない それでようやくイントロ部分”
って歌詞、改めて聴くと凄いセンスですよね。
これだけ成長したamazarashiが、秋田ひろむの内面という原点に立ち戻ってまたイントロから始まるんだ、という覚悟のようなものを感じさせるフレーズだと思いました。
ディザスター
……いやもう来るの!!?!?
例によって歌詞を引用した前口上(今回は”名シーンだけの人生じゃいられない”)で察していましたが、アルバムの曲順的にも終盤での拾うだろうと思っていたこの曲がこんな序盤で聴けるとは思っていませんでした。
2番の密度高めな歌詞とメロディ、そしてサビ前の”作家なんているもんか”の休符からのドラムのリズム、大好きです。
14歳~つじつま
このゾーンに関しては、先程から再三使っている「原点回帰」という言葉が、私にも突き刺さってくるような感覚を覚えました。
というのも、長いことファンをやっているとどうしても新作ばかりを追いかけてしまうマインドになりがちだと思うんです。当然と言えば当然なんですが、そのアーティストにハマり始めた頃は未知の過去作がたくさんあって、その中に自分の琴線に触れる作品を見つけてはもっと好きになっていく。そして過去作をあらかたディグり終えると、今度はとにかく新作が待ち遠しくて仕方がなくなる。
私にとってamazarashiはちょうどそんな時期でした。よっぽど気に入った数曲以外、触れる(聴いたりカラオケで歌ったりする)機会が極端に減って、新作にばかり意識が向いてしまう。けれどamazarashiはそこまで高頻度で作品を発表するバンドでもないので、言葉を選ばずに言えば若干熱が冷めかけているような気さえしていたんです。
そんなところに襲ってきたこの過去作ゾーン。
14歳はちょうど昨日、故あって聴いていた曲だったし、無題やつじつまはカラオケでものすごい頻度で歌っていた時期があったり、5~6年前、amazarashiを好きになり始めた時期によく聴いていたりしていた思い出深い曲たちでした。
そんな曲たちを今回生で聴いて、改めていい曲だな、と。こんな素晴らしい曲の魅力をすっかり忘れていた自分が何だか恥ずかしくなりました。初心忘るべからずというのも変ですが、何かのコンテンツのファンであるということに関しての振る舞い方のようなものを学べたような気がします。
パフォーマンスに関しては、無題のラスサビ、”信じてたこと”の”しん”が裏返っていたことと、つじつまのサビ終わり”僕等”の高音の安定感がえぐかったのがとても心に残っています。あとは、つじつまの紗幕で、”僕”という字だけをアップで映してフォントを高速で変えることで複数人を表現するのがとても巧みだなあと感じました。今回のライブは紗幕の出来がすごくよかった。
スワイプ
曲自体が癖が強くて格好いい、大好きな作品。
無人の時に「これを超えるパフォーマンスができるのか……?」なんて言いましたが、あの時に負けず劣らず格好良かったです。アコースティックもロックバンドも、両方に違ったよさがあるなあと思いました。
配信初日に聴いた時、社会風刺に初期ざらしっぽさを強く感じ、『デスゲーム』なんかと親和性が高そうだなあ、なんて思っていましたが、つじつまからの流れも自然でとてもいいものでしたね。
この曲はぜひライブの定番曲になってほしい。……無理か。尖りすぎてるもんな。
”今日をスワイプ”を観客全員でシンガロングできる日をいつまでも夢見ていますよ。
君はまだ夏を知らない~月曜日
スワイプでマックスを突き抜けたテンションを落ち着けるような君夏。いい感じのクールダウンになりました。
音源で聴いてた分にはあまり刺さらなかったんですが、いい曲ですねこれ。自身のお子さんに向けたメッセージソングという解釈も好きですが、私はあくまで『そういう人になりたいぜ』系のラブソングだと思っています。出会ってから7年目の愛する人に対する愛。
月曜日も例によって久々に聴きました。私は地元が北海道なのですが、小樽や函館といった港町はどこか青森に通ずるところがあると思っていて、だからこそ秋田さんの歌う青森の風景や閉塞感には共感できる部分が多くあります。
多くの人が同じことを言うとは思いますが、”それが君で おそらく僕で”の人間らしい等身大の臆病さが好きです。
海洋生命
今回のセトリで一番度肝を抜かれた選曲。
個人的に『アンチノミー』があまり刺さらなかったこともあって聴いた回数自体がそこまで多くなく、”サビですごい歌い方してるなあ”くらいの印象しかなかったこの曲ですが、こんなにもライブで映える曲だったとは。マジで格好良かった。みら夜ツアーの『アイザック』枠? これがカップリングなのもったいないよ本当に。
”悪心の水槽”の”あ”の発音に、名状しがたいロックみを感じました。もう1回聴きたい、円盤化はよ。
超新星
アルバムの中で私が一番好きな曲。HIPHOPをルーツに持ち、その中でも変わったジャンルであるポエトリーリーディングを武器に戦ってきたamazarashiが満を持して発表した”ラップ”の楽曲(と、少なくとも私は思っている)。韻の踏み方とか曲の構成とか、いろんな意味でこれまでのamazarashiの集大成であると同時に新天地でもあるような不思議な魅力に満ちた楽曲で、(ライブとアルバムをひっくるめた)”『永遠市』という作品”の核を担う重要な立ち位置だと私は考えています。
音源で聴いていたときから大好きだったラップパートの低音や、”付き纏い/月纏い”の言葉遊び、”1小節で世界凍り付かせたい”の歌い方とか、それらすべてを生で浴びられたことが幸せすぎる時間だった。
1番サビの”眩しく輝いて”を”目が眩む残像を”って綺麗に歌い間違えてた。その時ちょうど紗幕を見てて、「眩」って字が共通してるから一瞬脳みそがバグりかけたけど、あれは間違いなくミスだった。個人的には感情の昂りや緊張に起因する歌い間違いや声の裏返りなんかはライブの醍醐味だと思っているので、めちゃくちゃテンションが上がりました。今回の公演を通じてさらに思い入れの深まった曲です。
2023.06.08 amazarashi『騒々しい無人』ライブ感想
ご挨拶
ご無沙汰してます。乾井です。
去る6月8日はamazarashiのアコースティックライブ「騒々しい無人」の公演日でした。
3月の下旬、故郷の北海道から夢を見て上京した私は、落ち着かない生活の中で開催の報に触れました。
”東京単発公演……行きたいが生活に余裕がない状態で行ってもいいものか……そもそもその日、スケジュールを確保することができるのか?”
そんな逡巡も束の間、私は次の瞬間にはAPOLOGIESの最速先行に申し込んでいました。そんなこと考えてる場合か、好きなバンドの公演なんて行くしかないだろう!!ということで参加を決めました。
そんなこんなで始まった東京での新生活、忙しない日々を必死に過ごしているうちに2か月は文字通り矢のように過ぎていきました。私の身の上話は面白くもないので割愛するとして、とにかく開催の報から6月8日という日を迎えるのに体感では1週間もなかったように思います。何なら公演が終了した今でも「騒々しい無人の公演楽しみだな~~」という気持ちでさえいます。そのくらいいいライブだった。
さて、それでは早速ライブの話をしましょうか。今回はツアーじゃないのでネタバレを気にする必要もないし、ガンガン思ったことを綴っていきますよ。語りたいことも大量にあるので巻きでいきます。
ちなみにこの記事は「レポ」ではなく「感想」なので、個人的な曲への思い入れとか私情の話が大半です。
客観的なレポが読みたい人はブラウザバックでお願いします。
なるべく記憶と感情がアツアツかつフレッシュなうちにお届けすることをポリシーとしていますが、誤りや勘違いが含まれている可能性も多分にある点に関してはご容赦ください。
セトリ・雑感
01.ジュブナイル
02.たられば
ⅯⅭ
03.隅田川
ⅯⅭ
04.ロストボーイズ
05.リビングデッド
ⅯⅭ
06.僕が死のうと思ったのは
07.季節は次々死んでいく
ⅯⅭ
08.カシオピア係留所
09.そういう人になりたいぜ
10.ひろ
11.帰ってこいよ
ⅯⅭ
12.さくら
13.馬鹿騒ぎはもう終わり
14.スワイプ
ⅯⅭ
15.夕立旅立ち
ⅯⅭ
16.アンチノミー
……よくしゃべるな今日は!
…………ていうかなんやねんこのセトリの殺意!!!!!
はい。
もうね、やばいです。激やばです。事前の予想では『七号線ロストボーイズ』とそれ以降の新曲を中心に旧譜を3~5曲くらい織り交ぜた感じになるんだろうと思っていましたが、全くそんなことはなかった。
どれを軸にして組んだセトリなのかは神(秋田さん)のみぞ知ると言ったところですが、個人的にはアンチノミーか馬鹿騒ぎ辺りの終盤に向けてのカタルシスを最大限高めるような組み方なんじゃないかと思ってます。そしてそれが私の琴線に刺さること刺さること。
『ジュブナイル』『隅田川』『僕が死のうと思ったのは』『帰ってこいよ』なんかは個人的にとても思い入れの強い曲で、好きな曲と表現するのも憚られるような、もはや信仰の域に達している曲ですらあるのですが、それを抜きにしても、弾き語りでの『リビングデッド』や、後述しますが秋田さんがギターを手放して豊川さんのキーボード伴奏のみで披露されたソウルフルな『ひろ』、”インディーズ時代によくやっていた”という前振りから『スターライト』かな?と思わせてまさかまさかの『さくら』と、いい意味でやりたい放題のセットリストです。
『夕日信仰ヒガシズム』あたりで存在を意識し始め、『地方都市のメメント・モリ』くらいから明確にこのバンド好きだな~と思い始めたファン歴が長いとは言えない私ですら情緒がかき乱されるようなこのセトリ、それこそインディーズ時代から応援しているファンで耐えられた人はいるんでしょうか。
アコースティックライブという性質上、アコギ一本化抱えて一人ステージに立つ秋田さんが、アウトロで掻き回しをやった後「ジャン!」の一音と共に毎回お辞儀にも見えるような動作をしたり、普段ならポエトリーが担うインタールード、次の曲への振りの役割を喋りで補うもののそれが強引だったり下手くそだったりすることの人間臭いいじらしさ、THE FIRST TAKEから入った新規のファンに向けたであろう代表曲を織り交ぜつつ、ストーリーテリングや楽曲同士の詞や音の繋がりの気持ちよさを蔑ろにしない選曲と、今回の公演を形作る要素一つ一つが100点満点中670点くらいを叩き出している非常に満足感の高いものでした。
ライブの度に「最高だった」という言葉を軽率に使ってしまうのがファンという者ですが、今回に関してはこれを超えるライブを今後できるのか?って気持ちが湧いてくるくらい、文字通り今までで「最も(完成度の)高い」ライブだったと思います。セトリを組む際の自由度が極端に高い、アルバムを引っさげない公演だからこそ実現できたクオリティなんだと改めて感じています。
ちなみに冒頭で予想が大きく外れた、といった旨のことを書きましたが、一つだけ的中していた曲がありました。
ライブ楽しみすぎて気が早すぎるセトリ予想をするなど
— 騒々しいDriedwell(乾井) (@inui_daily) 2023年4月29日
ロスボ収録曲を中心にアルバム以降の新曲を揃えて、ツアーで披露された流れ(夏待ち→戸山・スターライト→空白車窓)を弾き語りというバンドとは違う形で表現するんじゃないかと
馬鹿騒ぎは私が聴きたいだけで正直くる可能性は比較的低いと思ってる pic.twitter.com/3dF4YfaFw6
そういやいつかのセトリ予想で「半分願望」として入れた馬鹿騒ぎ、冷静に考えると公演タイトルからしてもコロナまわりの社会情勢からしても歌われる可能性結構高いのでは?って気がしてきてる
— 騒々しいDriedwell(乾井) (@inui_daily) 2023年5月29日
これも後述しますが、今回は”アコースティックライブ”であって”弾き語り”ではない、という部分でコアを担った『馬鹿騒ぎ』が的中したのが嬉しくて、イントロが流れた瞬間盛大にニヤけました。今週は馬券でも買ってみようかしら。(買いません。)
それでは一つ一つよかった要素を掘り下げていきましょうか。全曲やってると頭と情緒がオーバーヒートしそうなので、個人的に強く印象に残っている部分だけ拾い上げていこうと思います。概ねセトリの順番通りになるように綴っていきますね。
ジュブナイル
一発目。冒頭でも言った通りこの曲は私の中で好きを通り越してもはや信仰の域に達している曲なのですが、それが一発目。当然号泣&全身鳥肌。直前に理論武装解除のセトリを見ていたので1,2曲は同じ曲をやるかもな、そしてそれは『隅田川』や『夏を待っていました』が有力だろうなと思っていたらまさかの『ジュブナイル』。
ド頭から”涙ぐんで”のところの高音の伸びやサビの”君のまま”の部分の裏声で今日のコンディションが最高であることを見せつけられ、公演への期待値が天井突き破って月まで到達する勢いで高まっていきました。
冒頭5曲・ⅯⅭ
そんなジュブナイルと、”amazarashiの秋田ひろむです”という口上で幕を開けた本公演。
2曲目は『たられば』で、弾き語りの定番だよね、って感じで割と穏やかな気持ちで聴いていました。とはいえ現地で聴くのは何気に初めてだったので、弾き語りならではの息遣いや声がバンドの時より真っ直ぐ胸に届いてくるのもあってライブだとこんなに化けるのか……と感動はしていましたが。秋田さんは結構口呼吸で歌ってるのが分かってちょっと新鮮だったな。
といったところでⅯⅭ。
”長いことやってると、昔は好きだと思えなかった曲もしばらく距離を置いているうちにいい曲だなって思えることがある。次にやるのはそういう曲”といったようなニュアンスだったかな。
いつかのインタビューか何かで「自分で好きだと思えない曲はリリースしない」というようなことを言っていたのが印象的だったので、個人的にはそのⅯⅭ自体がちょっと意外だったのですが、そうして披露されたのが『隅田川』。
学生時代、4年間ずっとつるんでいて、今回もなんと北海道からこのド平日に遠征してきてくれた大切な友人が私をきっかけにamazarashiにハマり始めた最初期に好きだったと言っていたこともあり、私としてはとても思い入れの強いこの曲を当人と一緒に聴けたことがとても嬉しかった。
『隅田川』が終わって拍手がやみ、去年のロストボーイズツアーよろしく何の前触れもなしに紗幕が上がってまた喋り出す秋田さん。
”体を壊したりして落ち込んでいる時期に、地元の友人と遊んだりして作った曲。昔の自分であれば繰り返しの日常から抜け出せというメッセージにしていたが、最近はそういう日常を肯定したいと思う。”
そんな前振りから相も変わらず口からCD音源な『ロストボーイズ』が披露され、理論武装解除とは違う、今のamazarashiのライブが始まるんだなと思わせてからの、次の曲でモニターに映し出される鎖の映像と聞き慣れないリフ。
”翻って誰しもが~”
弾き語りでリビングデッドやるなんて聞いてませんけど!!?!?
あまりに予想外すぎる選曲に驚くとともに、みんなと違うことに怯える少年期の心を歌う『ロストボーイズ』から、正しくて清廉潔白な人間であることを諦める『リビングデッド』に繋げるその発想の上手さに舌を巻き、ずっと二ヤつきながら聴いてた。
秋「死に切れぬ人らよ歌え」⇒客「……」がやっぱりどうしても寂しくて、サビのおおおおおーはずっと口パクで歌ってました。声が漏れてたらこの場を借りてごめんなさいしておきます。アコギ一本でこんなに格好良く仕上げられるもんなんですねこの曲。円盤はよ。
僕が死のうと思ったのは
『リビングデッド』が終わり、さてここから『スワイプ』や『アンチノミー』なんかの新曲の流れかな?と予想していたところでまたもⅯⅭ。
”自分には生きながらにして死んでいる、みたいな時期があって、そういう曲は受け入れられないだろうと思っていた。だけど似たような状況に置かれている人は案外いるもので、共感を得られるんだと教えてくれた曲がある。”
ⅯⅭの時点でまさか……?となっていたところ、ステージ上に灯る2本の蝋燭の演出ですべてを察した私、またも号泣。ロストボーイズツアーでも聴いたこの曲を今度は弾き語りで聴かせてもらえるなんて、こんな幸せがあっていいのですか??の気持ち。
頭から終わりまで「僕が死のうと思ったのは~~だから」と言っている内容自体は全く変わらないのに、ラスサビの「まだあなたに出会ってなかったから」に限っては「貴方に出会えたからこんな世界でも生きたいと思えた」という真逆の意味に反転するレトリックがもはやいち楽曲の歌詞を飛び越えて一つの文学作品、詩として巧みすぎるんですよね。幼い頃から文学に惹かれ、小説や漫画を読み耽って育ってきた私はこの曲が本当に本当に大好きなのですが、それをまさか2公演連続で聴けるなんていうサプライズに大袈裟じゃなく涙が止まらなかったです。
落ちメロの「貴方が綺麗に笑うから」の部分では、実に8小節の間ギターを弾く手を止めてアカペラで歌声が披露され、詩だけを心行くまで堪能したあの数秒間は筆舌に尽くし難い幸福な時間でした。円盤化はよ!
季節~ひろ
不意の『僕が死のうと思ったのは』でちょちょぎれるぐらい溢れた涙を拭う間にチューニングを済ませて次の曲へ。これはワンストロークでわかる、もはやおなじみとなった『光、再考』の終わりのフレーズから『季節は次々死んでいく』へとつなげる流れ。
ファーストテイクですら聴くたびに高揚が収まらないのに、生でそれを浴びさせられた日には耐えられるわけもなく、途方もない目標を追いかけて忙しない日々に追われている自分の現状も相まってⅭメロの”疲れた顔に~”のくだりで大号泣。もう勘弁して、これ以上いじめないで、の気持ちで食い入るようにステージを見つめてました。
ラスサビの”どうせ”を”後世”と歌い間違えていたけど、秋田さんも高揚してるんだろうと思ったらなおさら感動して涙が次々溢れてきました。やっぱライブっていいな……。
ⅯⅭ。
”人々がなぜ感動するかを最近考える。例えばハッピーエンドの作品に感動した時、エンディングだけを見て感動するんじゃなくて、そこに至るまでの苦悩や葛藤があるからこそ感動が生まれるんだと思う。つまり、痛みというのは僕等の共通言語なんだと思う。”
……曲振りが下手!
感動のくだりに共感しながら共感しながら聞いていた私の心の中で、「共通言語」というキーワードが聞こえた瞬間に粗品がすかさずツッコミを入れました。あるいはカイジの大槻班長かもしれない。
もうちょっとなんかいいように言えたでしょ!でもそんな口下手なところも可愛いな!ていうか次の曲カシオピアかい!!
1秒未満に脳内をこの思考が駆け巡り、比較的新しい作品ながらまたも個人的な好みにかなりぶっ刺さってる曲が来て3曲連続大号泣。本当に振り返れば振り返るほど私の癖(へき)を的確に突いてくるセトリで恐ろしくなってくるわ。
この曲はやっぱり歌い慣れてないからなのか、1サビの「深く沈める」を入り損ねて「……kく~沈める~♪」になってたり、ぽつぽつミス(?アレンジかも)があった印象。個人的には歌詞を飛ばしたり演奏ミスったりするのもライブの醍醐味だと思うのでどんどんミスってほしい。
そんなこんなでヘトヘトになった私の情緒にさらにさらに追い打ちをかけるイントロのアルペジオは『そういう人になりたいぜ』。この曲から豊川さんが登場。前触れもなければ曲が終わった後に触れるでもなく、そこにいるのが当然のように二人で演奏。もちろんこれも大好きな曲で号泣④。もうやめて!乾井のライフはゼロよ!
と、曲が終わって暗転中に何やら「ゴトン」という音が。スポットライトが当たってピアノのイントロが流れると、なんと秋田さんがギターを置いているじゃないですか。そしてこのイントロは聞き間違えるはずもない、そう、『ひろ』。
カシオピアからそういう人はちょっと流れとして不自然だなあと思ったらこっちへの振りだった。演奏を聴きながら私の頭によぎったのは、開演前にご飯を食べながら件の友人と交わした会話。
友人「自分は『ひろ』が3本指に入るくらい好き。今回もぜひ歌ってほしい」
私「確かにいい曲だし好きだけど、あれは秋田さんにしか歌えない、ものすごいパワーのあるメッセージソングだよね。「ひろ」さんのことを知らない自分が歌うのはなんか違う気がして、カラオケでも歌うの躊躇する」
タイムリーがすぎるのよ!!
ギターを置いたことで歌に集中できたからか、これまでより幾分もソウルフルに「ひろ」へのメッセージを歌い上げる秋田さんの姿にまたまたまたまたまた大大大号泣&スーパー鳥肌。とりわけⅭメロの「なあ、ひろ」からの魂の籠められっぷりは尋常じゃなかった。あんなん泣かないで聴ける人間おらんやろ。もうこれ以上情緒搔き乱されるのは無理やっちゅーに……。
そしてとどめの……
『帰ってこいよ』!!!!!!!
殺す気かっての!!!!!!!!!!!すでに5回くらい死んでるけど!!!!!!!!!!!!!!
ボイコットが発売された当初から、アルバムの中、いやamazarashiの中でも5本指に入るくらい好きな『帰ってこいよ』を、この終盤に、もういいだけ感動で泣かされた状態で浴びせられたらもうね、どうしようもない。演奏がどうとかステージ上での動きがどうとか、そんなん気にしてられる余裕なくて何も書けることがないです。ただ本当に心を奮い立たせられるパフォーマンスだったことは確かです。
ⅯⅭ。
"アマチュア時代、東京に住んでた頃のことを書いた曲。居酒屋やカフェでよくやってた曲で、「あまざらし」ってこういう風に始まったんだなって思えてもらえたら。挫折もたくさん経験したあのころの夢を生きてます。"
この振りで安直に『スターライト』か?違うな、『東京』か、なんて思った私はどうしようもなくニワカでした。
自分自身夢を追って上京し、何の因果か中央線をよく使うものでここ数か月たまたまよく聴いていたこの曲を、まさかライブで聴けるなんて思ってなかった。
私の地元・北海道では例年桜が咲くのはGWの頃なので、桜にあまり春のイメージがなかったんですが、前述のとおり3月末に上京してきたので友人と桜を見に行こうという話になって代々木公園に行ったのも記憶に新しかったからもう大変。何もかもが私にとってタイムリーで、置かれている環境や夢を追うことの焦り、苦悩、葛藤、そういったものを丸ごと肯定して包み込んでくれるような選曲の最後がこれでもうどうしろって言うんだ。
サビ終わりの「さくらーあーあーああーー」にかぶさる豊川さんの「あーあーあ↑ーあー」ってハモリも破壊力抜群。音源だと叫ぶように全力で歌ってるラスサビ終わりの「(さくらさく物語)あーーああ」ってシャウトも、今回はかなり澄んだ高音の出し方で最高のパフォーマンスと言わざるを得なかったです。
雨曝しの代々木公園にて
— 騒々しいDriedwell(乾井) (@inui_daily) 2023年3月26日
――さくらさくら僕らの
さくら咲く物語 pic.twitter.com/f5XET1thbU
もう終わり(終わりで始まり)
『さくら』が終わり、もはや満身創痍で明転を待っていたら聴こえ出したアルペジオ。思わず「そんなことある!?」って声が出そうになるのをすんでのところで堪えた私の目に飛び込んできたのは、これまで参加してきたツアーと同様(ドラムやギターはいつものロック用とは違うけど)のバンドのセット。
マジで馬鹿騒ぎやるのかよ!ていうか何だそのセットは!!!
三線?三味線?みたいな弦楽器の音も混じってて何か凄いアレンジだったんですが、Twitter見てたらどうやらバンジョーという楽器らしいです。打楽器はカホンと、シャララララ~ン✨みたいな音が鳴るやつ(名前を知らない)。
確かに「acoustic live」であって弾き語りなんて一言も言ってないけどさ。あまりにも予想外のことやりまくるし1個1個クオリティ長高いしで感動とか飛び越えて何かイライラさえしました。
ずっと聴きたいと思ってた久々の馬鹿騒ぎ、よかったです。生歌だとやっぱりPayPayには聞こえなかった。
コロナ問題も5類に移行されたことで(表面上は)終わって、令和二年epの曲は今後ライブで披露されることはあるのかな?
世界の解像度や馬鹿騒ぎは汎用性がありそうだけど、令和二年とか曇天は時事に特化した曲だし、太陽の羽化も水槽や後期衝動みたいにぽんとセトリに突っ込めるようなポエトリーでもないし、本当に役目を終えた曲になっちゃうのかな。個人的には令和二年の歌メロとか韻の踏み方すごく好きだからそうなってしまうならとても寂しいところではある。
スワイプ
えっっっっっっっっぐい格好良かった。
馬鹿騒ぎのバンド編成をそのまま引き継ぐ形での演奏。リリースから1か月ちょっとでライブでの初お披露目と相成ったわけですが、リリース当初も同じこと言ったけどやっぱ社会風刺を歌うamazarashiは「良い」んですよ。
『デスゲーム』とか『ミサイル』、『カルマ』なんかを歌ってた頃の初期を彷彿とさせるテーマに、10年以上経った今だからこそ作れる打ち込みを多用したトラック、ダークな歌詞の世界観と裏腹にキャッチ―な歌メロだとか、韻の踏み方から歌詞に使う語彙の1つ1つまで、これまでamazarashiが積み上げてきたものの集大成みたいな曲だと思っててすごく好きな曲です。
そんな曲のライブ初お披露目がオリジナルバージョンじゃなくてアコースティックアレンジだってのも今までにない試みだし、その瞬間に立ち会えたことが本当に嬉しい。amazarashiはこれからもどんどん進化していくんだろうなっていうのを感じさせるパフォーマンスでした。
やっぱりお気に入りなんだね、そして……
突然のバンド出現とアレンジのクオリティの高さに、これまでの号泣ラッシュから一変して縦ノリで音楽を楽しんでいたところでⅯⅭ。
”あと2曲で終わりです。新曲に向けて制作をやってるけど苦戦してて、今日何かヒントがもらえたらなって思ってた。でもそういうのは終わってからわかるもんで、また頑張って、みんなでライブをやれたらって思います。『夕立旅立ち』。”
ⅯⅭでタイトルをはっきり言ったのはこの曲だけだったんじゃないかな?
理論武装解除で初披露されて、折に触れてライブの〆に使われてきた『夕立旅立ち』。アコースティックアレンジとの親和性も言わずもがな高くて引き続き縦ノリで聴いてた。直前のⅯⅭであと2曲って言われて、心から終わってほしくない、ずっとこのライブが続いててほしい!!って強く感じていたことを覚えてる。
ラスサビの「懐かしい夢たち」を「新しい~」って歌ってた。まあ新しい夢もそうそう覚めないし問題ないやろ!って仏の顔して聴いてました。何だかんだライブ映えする曲で、普段あんまり積極的に聴くわけじゃないけど公演の度にいい曲だなって思わされる、不思議な魅力のある曲だと思います。
ⅯⅭ。
”皆さんにとってamazarashiはたくさんいるアーティストの中の1つでしかないかもしれないけど、自分にとっては紛れもなく人生そのもので。そんな自分の人生と皆さんの人生が交わるのがライブっていう場だと思う。こんなにもたくさんの人に来てもらえてうれしい。また次、10年後でも、20年後でも。また会いましょう。生き延びてください。”
このⅯⅭ。Twitterでも皆さん仰っていましたが、やばいですよね。
もちろん他に好きなアーティストはいるけど、amazarashiの奏でる音楽が、叫ぶ言葉が唯一無二のレベルで大好きだってのは多くのファンがそうだと思うし、8000人の箱を埋めてもそんなことを口走っちゃうのが人間らしくて不器用で、こんな人が描く言葉だからこそ信じていられるんだなって思いました。
そして「10年後でも、20年後でも」ってくだり。裏を返せばこれは10年、20年経ってもわいはきっとamazarashiを続けているよって宣言のようにも思えて。凄く胸が熱くなるⅯⅭだった。
そんな振りから繰り出される最後の曲。正直私は『ナモナキヒト』か『空白の車窓から』だと思ってたんですが、これだけグッズのデザインやらこれまでのセトリ(『スワイプ』『カシオピア係留所』)でフラグ立てておいて『アンチノミー』やらないわけないよね。
正直個人的に『アンチノミー』は「ニーアのために作られた曲」って印象が強すぎて、アルバム以降の新曲は全部やるだろうと思いながらも普通にセトリに組み込むとどうしてもこの曲だけ浮いちゃうって気持ちがぬぐえなかったからどう扱うんだろうって思ってたんですよね。
結果から言うと、今回の形で組み込むなら大トリを飾るに相応しい曲になっていたと思います。
この曲ではバンドメンバーははけて、秋田さんの弾き語りに戻ったので、豊川さんの”壊れたヨルハ”コーラスがなくて、ⅯⅭでこれだけ丁寧に前振りをした上でなら「ニーアの曲」ではなく「amazarashiのいち楽曲」として純粋な魅力が伝わる披露の仕方だったと。
逆に言えば、仮に『アンチノミー』以降の新曲が全部収録されたアルバムがリリースされて、それを引っさげてのツアーでいつもの(ロック)バンド形式が初お披露目だったら、いつまでも「ニーアの曲」ってイメージは払拭できてなかったと思う。
前述の通りライブの〆としては『ナモナキヒト』とか『空白の車窓から』とか、これよりもっと相応しい曲はあると思うけど、こと今回の公演に限って言うならば『アンチノミー』がトリで大正解だったと思う。
アウトロで「感情は持たないでください」って歌うアレンジをしてたけど、それもすごくグッと来た。願わくば次はバンドバージョンで生『アンチノミー』を聴きたいと思うことができて、最後の最後まで新しい発見や魅力に満ちた本当に素晴らしいライブでした。
ラストは「ありがとうございました!amazarashiでした!」の挨拶で〆。
最初は「amazarashiの秋田ひろむです」だったので、あまりにもぬるっと現れぬるっと消えていった豊川さんはじめバンドメンバーに秋田さんが気付いてなかったということではないようです。
おわりに
深夜テンションの駄文を長々とお読みいただきありがとうございました。
今回の公演は、「乾井がamazarashiを好きな理由」をぎゅっと濃縮したようなセトリ、演出、ⅯⅭのライブだった気がします。
個人的には冒頭でも言った通り「今後これを超えるライブを開催できるのか??」といった印象もぬぐえませんが、どうせ次の公演が終わったころには「最高だった……」とか 宣ってると思います。なぜならオタクなので。
最後になりますが、amazarashi13周年おめでとうございます。
新参者のファンではありますが、変わらない信念のもと、自分自身がその時叫びたい言葉を鳴らしたい音に乗せて奏でるamazarashiに、きっと10年後も20年後も着いて行きたいと思っています。
ではまた。
推しと一緒にライブをした話【前編】
乾井です。
突然ですが、私には「推し」がいます。
大学1年生の時に知り合った友人のことなんですが、趣味嗜好はカテゴリこそ似通っているものの具体的な部分で絶妙に噛み合わず、嘘をつくのがヘタな私と対照的に秘密主義者でリアリスト、冷静に考えれば全くソリの合わない人物なんですが、なぜか今までつるみ続けられているのはもはや奇跡としか思えません。
そんな彼がただの友人に留まらず私の「推し」たる所以は、何と言ってもその声の良さと歌の上手さです。
学生の頃、多いときは週3くらいで一緒にカラオケに行っていました。我々が来店すると受付の方も「またお前らか」みたいな顔をする(してない)くらいには、学校近くのカラオケの常連客でした。
私は元々自他ともに認めるオンチで、中学校の合唱コンクールが苦痛で仕方なかったタイプの人間です。それでも歌うことは好きだったし、何より声がデカいのでコンクールではクラスメイトに多大なる迷惑をかけていました。お前もうひな壇降りろ。
そんな私だからこそ、歌が上手くなりたいという気持ちは人一倍強かった。昔から音楽を聴くことが大好きだったし、自分という人間を形成する要素として大きな割合を占める大好きな歌たちを歌いこなせるようになりたかったというのもあります。
そんな時に出会ったのが、件の彼でした。
話が逸れるので詳細は書きませんが、私が学生の頃所属していた部活動はかなり特殊な団体で、そこに集まる部員たちもまたクセモノ揃い。初めて一緒に行ったカラオケで矢島美容室やらDJ OZMAやら90年代のGLAYやら歌い始めた時の衝撃といったらないです。彼は平成の申し子みたいな人間でした。
平成という時代を愛しているという点では、私も人のことを言えた義理ではありません。
自分の親世代が「昭和はいい時代だった」と懐古するのを冷めた目で見ていた自分が、令和になって4年が経った今「平成はいい時代だった」と心から感じるようになっています。J-POP、アニソン、ボカロ、あらゆるジャンルで平成のテイストを感じる作品に触れるとどうしようもないノスタルジーを覚えます。
私と彼の共通点はまさにここ。アニソン、ボカロなど「趣味嗜好のカテゴリが似通っている」のです。しかし、ボカロやポケモン、GLAYといった息の長いコンテンツやバンドは微妙に好きな時代が違ったり、アニソンやJ-POPにしても触れてきた作品の違いで「名前は知ってる!」みたいな事件が多発し、互いに知っている曲で一緒に盛り上がったりデュエットソングを一緒に歌ったりといったことがまあできなかった。だからこそ、一緒にカラオケに行ったら互いが互いの好きな歌を好きなように歌い、それに耳を傾けたり傾けなかったりするという絶妙な距離感で過ごしてきました。
そうは言いつつ、週3回もカラオケに通い詰めれば、お互いの趣味の中で「おっ、これはいいな」と思う曲も当然出てくるわけです。
私が記憶している限り最初の「おっ」は、彼の歌う『夕立のりぼん』だった気がします。『いーあるふぁんくらぶ』『ロキ』『少女レイ』なんかで知られるボカロP、みきとPの曲で、爽やかなギターリフが耳に残るセツナ系ロックナンバー。元々は女性キーで歌われている淡い青春のラブソングですが、男声の低音で歌われると色っぽさが加わって違った魅力が見えてくる、そんな曲です。
彼の影響で『夕立のりぼん』にどハマりし、自分でも大好きな曲になってしまった私。逆に私がよく歌う曲の中で彼の琴線に触れた曲もそれなりにあるようでした。
その中で(たぶん)1番大きかったのがamazarashiの『ヨクト』。それまでamazarashiに全然興味のなかった彼が、『隅田川』や『空っぽの空に潰される』が好きだと言ってきたときはけっこう驚きました。
そんなこんなでお互いの趣味嗜好に影響を与えつつ、私は彼の歌の上手さに憧れ、追い付きたいと思いながら友人付き合いを続けて長いこと経ったこの夏、久し振りに彼とカラオケに行ったとき、私はある提案をしました。
“互いに歌って欲しい曲を10曲くらい挙げて、セットリストを作ってライブみたいなことをしよう“
元はと言えば、私が8月に東京に行って頑張らねばならないイベントがあり、それに檄を飛ばしてもらいたいという思い付きでした。「推し」の歌を聴いて送り出してもらえればより頑張れる気がするから、と。
その場の思い付きの無茶振りでしたが、自称ノリと勢いだけで生きている人間の彼は快諾してくれ、私が投げる曲をひたすらに歌いまくってくれました。あの日の歌声は本当に忘れられない。最高の1時間でした。
ちなみにその時のセトリがこれ。順番としてはレディメイドから上に向かって進んでいく感じ。
この時は歌ってもらいながら「次はこれ、次はこれ」と即興で組み立てていく感じだったので、ジャンルがボカロ(あるいはボカロPが所属しているバンド、楽曲提供しているシンガー)に偏ってしまいましたが、バラードやミドルナンバーから徐々にテンションを上げていき、テオで最高潮に達してから1度流れを切ってアンコールのイメージでラスト2曲を歌ってもらいました。ジャンルを固定することでむしろ1人のアーティストがカバーライブを行っている、というイメージにもなるので我ながらいいセトリだったと思います。
彼のライブが終わったあと、「結構楽しかったから今度は自分がセトリ考えてそっちに投げてもいい?」と彼からの提案。私は自分の歌に自信がないので少し怯みましたが、数年間、彼の背中を追って色んな歌を練習した成果を発揮するなら今しかないと思い、「やろう!」と返事をしました。今度は事前にセトリを用意し、私の知らない曲も入れてより本当のライブに近い形でやろうという話でまとまりました。
これが今年の8月頃のお話。その後互いに忙しくなってしまい、実際に挙行できたのはつい1週間ほど前です。
そのリストの公開と、実際に歌ってみてどうだったかという話は次回のブログのネタに温存しようと思います。
ではまた。
5月によく聴いてた音楽を紹介する
ご挨拶
こんにちは、乾井です。
時が過ぎるのは早いもので、amazarashiのライブの感想を吐き出したいという衝動でブログを開設してから、もう1か月が経とうとしています。
労働をはじめとする日々の忙しさに悩殺されながら、折に触れてせっかく開設したからには何か記事を書きたいと考え、書いてはやめ、書いてはやめを繰り返す1か月でした。
ネタはあるのだが、如何せん時間がない。私は暇を見つけてコツコツと、というのがすごく苦手で、書くならいっぺんに書いてしまわないと熱が冷めてしまう性質なのです。
そんな言い訳を繰り返し、気が付いたらもう6月。2022年も折り返しの月に突入してしまいました。時間は平等と言いますが、平等ほど残酷なものはないですね。本当に。やりたいこととやるべきことの狭間でもがいている現状、焦りだけが募っていきます。辛いです。
そんな現実から目を背けるために、あるいは、明日を変えるために今日を変えるべく、重い腰を上げてこの記事を執筆しています。言い訳ばかりしていても楽しかぁないですし、まあやるだけやってみようという感じ。もともと文章を書くのは好きだし、気分転換くらいにはなるでしょう。
というわけで今回のテーマ。タイトル通り、私、乾井が5月によく聴いていた音楽を紹介します。
先に言っておきますが、今回amazarashiの曲は登場しません。
このブログを読んでいる人は9割がたTwitter経由でしょうし、私がamazarashi好きなのは今さら言うまでもないと思うからです。せっかくなら乾井のまだ見ぬ一面を発見してもらえたらいいと思いまして。
アニソン、キャラソン、声優、ボカロ等々、オタク要素多めでお送りしていきます。というか下手したらそれしかないかもしれません。また、紹介している音楽のジャンルやキャラクターコンテンツに関して知識が足りず、間違ったことを書いているかもしれません。それでもいいよって方はぜひ。
御託はこの辺にして、早速1曲目の紹介といきましょうか。
1.「AMATERRAS」KARAKURI
作詞:SATSUKI-UPDATE 作曲:Cher Watanabe リリース年:2018年
スマホ向けアイドル育成リズムゲーム「Tokyo 7th シスターズ」より、双子のアイドルユニット”KARAKURI”の「AMATERRAS」。
作曲を手掛けたのは「アイドルマスター」や「デジモン」なんかに多く楽曲提供を行っているCher Watanabe(渡部チェル)さん。中学生の頃からアイマスの畑で育ってきた私には馴染み深い作曲家のはずが、英語表記のせいで全く気付かなかったのは秘密。
トラック・ボーカル・歌詞、曲を構成するあらゆる要素がとかく複雑で奥深く、簡潔に説明するのが難しいので順を追ってこの曲の魅力を紹介していくこととします。
まず、トラックについて。
穏やかなピアノのメロディからイントロが始まったと思えば、突如として硬いシンセの音が乱入して、それに驚く暇もなく規則的なスネアのメロディと共に歌が始まります。
曲が進むにつれ、目まぐるしく展開は変化していきます。イントロでも使用されていたシンセのリフレインをベースに構成されたAメロを抜けた先のBメロでは、キックをメインに様々なSEを盛り込んだラップパートが展開され、迎えるサビではボーカルと楽曲の主役を奪い合うかのようにシンセが複雑なメロディを奏でます。
Aメロ→Bメロ→サビという構成自体は2番も変わりませんが、1番よりもSEが追加されていて飽きさせません。さらにその後、矢継ぎ早にⅭメロが繰り出されたかと思えばそのままもう一度サビ、そして印象的なギターのメロディからもうひと展開を迎えて楽曲が終了します。
私はいわゆるEDMに関してあまり造詣が深くないので知ったような口は叩けませんが、様々な楽器のメロディが複雑に絡み合ったトラックがとにかく格好いいです。曲全体の展開も決して一辺倒ではなく何段階にも盛り上がりを作ってくれているので常に感情が昂りっぱなし。個人的にはラストサビの後、終わったと見せかけてもうワンフレーズ付け加えて終わるという構成がとにかく好きなので、そこも高評価のポイントです。
次に、ボーカルについて。
冒頭で述べた通り、この楽曲はアイドル育成ゲームの劇中歌、キャラクターソングですので、歌っているのは声優です。
作中ユニット"KARAKURI"のメンバー・空栗ヒトハ/フタバを演じる秋奈さんは、言葉を選ばずに言うと、コッッッテコテに甘ったるい、所謂「アニメ声」の声優です。それだけで敬遠してしまう人もいそうですが、そういう人にこそ一度は聴いてみてほしい。先述の通り目まぐるしく展開を変えるクールなエレクトロチューンに甘ったるくも硬質な女性の声が乗ることで、お互いの魅力を引き立て合って独特の深みを生み出しています。実際に歌ってみるとわかるのですが、この曲、ラップパートがあったり、それ以外もかなり掴みどころのない譜割りでめちゃくちゃ歌いにくいのですが、それを難なく歌いこなす歌唱力も単純に凄い。最近の声優さんは本当に多才じゃないとやっていけないんだなあと思わされます。
最後に、歌詞についてです。ずっと言っている通りラップパートがあるような曲ですので、曲全体を通して押韻を意識した詩になっています。私はゲーム自体をあまり触っていないのであれですが、詩の内容としては、恐らくアイドルとしての活動を「戦い」に喩えた上で、ヒトハ/フタバが相棒たるお互いへの信頼を歌ったものだと思います。あるいは、「愛しても」「抱きしめる」と言ったフレーズも使われていますので、もっと普遍的なラブソングと捉えても面白いかもしれません。
私の闇を照らす 貴方のアマテラス
貴方の敵を燃やす 私のアマテラス
常世の闇を照らす 貴方のアマテラス
全体を通してハイセンスな言葉選びで思わず手を上げてしまうようなフレーズも多いのですが、私が特に痺れたフレーズを抜き出すとするとここでしょうか。(上から順に1番サビ、2番サビ、ラスサビの歌詞です。)
「(闇を)照らす」→「アマテラス」のタイトル回収はありきたりと言えばありきたりですが、その後、2番で太陽神に擬えて「燃やす」という言葉を使った後、ラスサビでは「照らす」対象が「常世の闇」にまで広がっているところに、二人ならどんな高みにでも行けるという絶対的な自信と信頼のようなものが読み取れる、楽曲のコアともなるような熱いフレーズです。
長くなってしまいましたが、まとめると、KARAKURI「AMATERRAS」は、目まぐるしく曲調の移り変わるシンセの効いたアッパーなトラックに甘(ったる)い声でハイセンスな押韻のオンパレードな激アツ歌詞を乗せた最高に格好いい1曲です。
情報過多が過ぎる。
聴けばわかる。聴いてくださいお願いします。
最後に、この曲が好きだったらこちらもぜひ、という関連楽曲をいくつか置いておきます。
「Winning Day」KARAKURI
「HEAVEN'S RAVE」 AXiS
「オ・モ・イ アプローチ」NI+CORA
2.「ペトリコールを渡って」瀬戸海月(CV.シスター・クレア)
作詞:maimie 作曲:Aiobhan リリース年:2020年
続いて2曲目は、バンダイナムコの”音楽原作キャラクタープロジェクト”(公式サイトより)、「電音部」より、「ペトリコールを渡って」。
1曲目で語りすぎたので、なるべく簡潔に。
こちらは先ほどの「AMATERRAS」とは打って変わって、Drum'n'Bass(で合ってるかな……)をベースとしたミドルテンポのナンバー。
5月に入って私の地元でも雨が降る日が増えました。そういう日に、街を歩きながら、あるいは車を持っている人は運転しながらでもいいでしょうが、とにかく雨降りの屋外で聴きたいような1曲。
こちらも「AMATERRAS」と同じくキャラクターソングですが、歌っているのは”にじさんじ”所属のバーチャルライバー、シスター・クレアさん。普段の配信(=話し声)でも特徴の、透明感のある高音を歌声でも遺憾なく発揮しています。雨をテーマにした、若干サイケみのあるトラックに彼女の声がよくマッチしていて、不思議な浮遊感を覚える楽曲になっています。
完璧に作ったパズル 1ピースだけ足りなくて
君になりたい、なれない
結果が全てなんでしょう 過程が大事だなんて
綺麗だって誰が言った
この歌詞、やばくないですか。
私は誰かを愛するということには少なからぬ同化願望が伴うものだと考えているんですが、それを端的に言い表しているフレーズで、初めて聴いた時「この歌詞書いた人、自分か?」ってなりました。
夢や目標を追う過程の中で、自分よりも優れた”君”に嫉妬を覚えつつ、あんな風になりたいと願い、足りないピースを埋めようともがく苦悩や葛藤が、雨の日の情景と相まって切なく胸に迫ってくる名曲です。
関連楽曲
「サンデーサンデー・フルーツフール」える、シスター・クレア
「Hyper Bass(feat.Yunomi)」桜乃美々兎 (CV: 小坂井祐莉絵)、水上 雛 (CV: 大森日雅)、犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈)
「Nation Blue」渋谷凛(CV:福原綾香)、高垣楓(CV:早見沙織)、神崎蘭子(CV:内田真礼)、多田李衣菜(CV:青木瑠璃子)、新田美波(CV:洲崎綾)
3.「神っぽいな」ピノキオピー
作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー リリース年:2021年
正直、自分でも「今更!?」って思う。
なので、皆まで言うな。典型的な拗らせ系逆張りオタクなので流行ってるものは何となく見聞きしたくないんですよ。
ある程度世間の熱が落ち着いたころに「これこんなに良かったのか!」って気付いて誰かに話そうと思った時にはもう興味は別のところに移ってしまっているのがいつものパターン。
それでも自分が良い、好きと思ったその感覚を否定したくはないので、ここで供養させていただきたく。
アホほど流行った曲なので、私があえて解説したり紹介することもあまりないでしょう。”ピノキオピー節”ともいうべき皮肉の効いた歌詞と、ポップでダークなエレクトロのトラックがイカした1曲だと思います。安易に流行りものに乗るのを皮肉ったこの曲が流行り散らかして世間からすぐに飽きられる、という流れまで含めて計算の内なら、ピノキオピーはいよいよ天才だなって感じですが。
愛のネタバレ 「別れ」っぽいな
人生のネタバレ 「死ぬ」っぽいな
月並みですが、歌い出しからして皮肉たっぷりのこのフレーズ、痺れますよね。言葉遊びの上手いクリエイターが大好きなのでこういう曲もっと増えてほしい。
他にも「畢竟」「比況」「卑怯」の同音異義語の遊びとかも大好き。さすが長いことボカロシーンの第一線で活躍してるだけあって、オタクのツボ押さえてんねえ!って感じです。憎いぜピノキオピー。
関連楽曲
「すきなことだけでいいです」ピノキオピー
「オルターエゴ」Misumi
「サイバーサンダーサイダー」EZFG
最後に
長々と付き合っていただき、ありがとうございました。
自分が好きな曲についてだらだらと語っていただけですが、この記事を読んでくださったあなたのツボにはまる曲が1曲でも見つかったなら幸いです。あるいは、元々自分もこの曲好きだったよ!ってのがあったら、ぜひTwitterでも何でもお声がけください。語らいましょう。
不定期更新、トピックも固定されていない当ブログ、及び乾井を今後ともよろしくお願いします。
2022.5.3 ロストボーイズツアー札幌公演 ライブレポ
ロストボーイズツアー札幌公演 ライブレポ
イントロダクション
初めまして、乾井です。
タイトルの通り、amazarashi Live Tour 2022「ロストボーイズ」ツアー初日、
札幌公演に参加してきたのでその感想です。
まず声を大にして言いたいことが一つ。
何だこの殺意高すぎるセトリは!!!!!!
もうね、あんまりこの言葉使いたくないけどあえて言います。
やばいです。マジで。やばい。本当に。
情緒は語彙を飛び越して、分からずともなお喋ろうとすると
そんな言葉しか出てこない。
そのくらいやばいライブでした。
あんまり限界化したオタクの御託を聞きたくもないでしょうから本題に入ります。
以下重大なネタバレを含むので、というかネタバレしかしてないので、
踏みたくない方は即ブラウザバックしてくださいね。
セトリ
所感
では、まずはセトリです。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
1.感情道路七号線
2.火種
3.境界線
4.ロストボーイズ
5.間抜けなニムロド
6.空洞空洞
7.僕が死のうと思ったのは
8.あんたへ
9.夏を待っていました
10.戸山団地のレインボー
11.数え歌
12.アオモリオルタナティブ
13.爆弾の作り方
14.空に歌えば
15.1.0
16.スターライト
17.空白の車窓から
--------------------------------------------------------------------------------------------------
…………
いや多いわ!!!!!!!!!!!!!!!
amazarashiのライブ初参加がAPOLOGIES雨天決行、対面はボイコットの私は、
まず曲数の多さにおったまげました、
amazarashiはただでさえ長尺の曲が多いのに、2時間で17曲ってどないやねん。
しかもポエトリーは1曲目の感情道路だけですよ。
こんなセトリ、カラオケでやろうもんなら喉イカれますよ本当に。
そうならないのはさすがプロの所業と言ったところか。amazarashiやべえ(1回目)。
突然ですが、ここで私が事前に予想していたセトリがこちら。
是非見比べてみてください。
……いや夏待ち当たっとるやないかーい!!
法被着て神社横丁が夏祭りっぽいなあって思って入れたんですが、
八月の激暑の前振りとして差し込むほうが確かに自然ですよね。
しかしまさか当たると思ってなかったのでイントロの瞬間ニヤけました。嬉しかった。
曲単位でみると、Twitterでちらほら見ていたセトリ予想で当たっている人がいて、
その曲が演奏されるたびにニヤニヤしてました。おめでとうございます。
全体として見ると、今回はアルバムが11曲しかなかったので
新規曲は全て演奏される前提で、
既存曲が4~5曲、何聴けるかなあとか思ってたんですが、まあ見事に裏切られました。
アルバム曲が2曲もリストラされるなんて誰が思うんよ。
100歩譲ってアダプテッドはアルバムの中でも群を抜いて異質な曲だったから
お預け喰らうのも分からんじゃないけど、もろに青森のことを歌った焼け町が
セトリに入らないなんて誰も思わないでしょうよ。
これが私が今回のライブがやばいやばいという理由の一つです。
アルバム名を冠したツアーで新曲を2曲リストラするamazarashiやべえ(2回目)。
セトリ全体に関してもう一つ。
感情道路~ニムロドまでの流れ、アルバム収録順そのまんまなんですよね。
そういうのもあって、今回はアルバムに忠実に行くのかなって思わせてからの
怒涛の既存曲ラッシュ。そしてこれが何のツアーなんだかもはや忘れたころくらいに
戸山団地でぐいっとロスボに引き戻してくる。
amazarashi、ホントいい性格してるぜ……。最高にロックだと思うその姿勢。
一生ついて行きます。
各楽曲の演奏
さてさて、いよいよ各曲ごとのライブレポに入ります。
とはいっても正直記憶はとびとびなので、記憶違いとか雑だったりとか
色々あるとは思いますが、そこはご愛嬌ということで一つお願いします。
開演前
ボイコットの時は「私は私の○○ではない」が延々と流れてた開演前。
今回は開演10分前から音声なしで紗幕に長尺のポエムが流れていました。
覚えている部分を列挙すると、
「勉強が苦手だと言われ」「運動が苦手だと言われ」「それが自分の属性と思い込み」「詐欺まがいのレーベルに金銭を要求され」「リリースを約束したレーベルに切られ」
「夢が終わったのだと悟り」「どうせ終わるなら故郷でと」「閉じこもり」
「灯りは極力つけず」「息苦しく感じて窓を開けると(うろ覚え)」
「人の陰口ばかりが聞こえ(うろ覚え)」
(ここらへんで何かが吹っ切れたような描写があった気がする。覚えてない。)
「嫌いだと言われ」「偏屈だと言われ」「よくやったと言われ」
「無数の評価が下され」「結局この世界には馴染めない」
この3倍くらいの要素を含むポエムが、無音で3周、同一の内容が流れました。
正直、2周目を半分過ぎたあたりで
私は何を見させられているんだ?って気分になりました。
このポエムだけが一生流れて、ライブが始まらないんじゃないかと思いましたよ。
当然そんなことはなく、三度目の「結局この世界には馴染めない。」のあとに
環状の路線図のような演出が入って、今度は同一の内容のポエトリーを
秋田さんが朗読した音声が流れました。
じゃあ無音は2回くらいにしといてくれよ!
って正直思ったのは胸に秘めておくとして、
私事ながら現在演技や朗読の勉強をしている私は、朗読にはこんな感情表現の
仕方があるんだなと興味深く聴いておりました。
訛りとか滑舌とか、決して綺麗な喋り方ではないのだけど、粗削りゆえの
エモーショナルがあってとてもいい演出でした。
最後は無音の時にはなかった「その全てが私である(うろ覚え)」的なフレーズが
追加され、いよいよ演奏が始まります。
感情道路七号線
amazarashiのライブではもはやお決まりとなった開幕ポエトリー枠の感情道路。
ボイコットの拒否オロジーもそうでしたが、ド頭のギターのフレーズが印象的で、
遂にライブが始まるんだ……!という高揚感を感じさせるものでした。
この時点ではちょーっと楽器の主張が強くて、せっかくの秋田さんの低音が
あまり聞き取れなかった印象でしたが、トラックがめちゃくちゃかっこよかった。
感情道路~境界線まではめちゃくちゃライブ映えする曲だと感じました。
特に橋谷田さんのドラム。ところどころに挟まるスプラッシュシンバルのアクセントが
最高にイカしてた。また聴きたいです。
火種
その流れでの火種。イントロのギターリフが死ぬほどかっけえ。一生聴ける。
映像化するときはCDの特典じゃなくて円盤単体でお願いします。ライブ音源取り込んでスマホで聴きたいので。
ボーカルは相変わらずクソデカ演奏陣に搔き消されがちでしたが、そんなの
気にならないくらい楽器が格好良かった。音源では分からない楽曲の魅力に
気付けたのでプラマイプラスです。個人的な予想ですが、これはしばらくライブの
2~4曲目くらいのポジションに居座り続けると思います。
あと紗幕に出てた歌詞のフォントが丸みを帯びていて、若干シュールに感じました。
境界線
王道のアッパーチューンでボルテージがガンガン上がっていくのを感じました。
直近のボイコツアーでも演奏されていましたし、演奏に関して特筆すべきことは
ないかなと。紗幕の映像はボイコと全然違いました。具体的には……覚えてないです。
ロストボーイズ
紗幕が!!!!!!!!上がった!!!!!!!!!!!
何を言っているのか分からねーと思うが私も何をされたのか分かりませんでした。
境界線のアウトロが終わり、掻き回しが終わって拍手が起こった後、メンバーが
水を飲んだりしている最中に、何食わぬ顔でしゅるしゅるしゅる……と紗幕が
上がっていきました。
そこで私の頭をよぎったのは、開演の1時間前にフォロワーさんと交わしたある会話。
「ClariSって最近顔出ししたけど、そういう話題の作り方はちょっとどうかと思う」
amazarashiも顔出しするの!!??!??!?
アルバム特典のボイコ映像からして、特に豊川さんはほぼほぼ顔見えてたし、
そうでなくても前の方の席なら紗幕越しに顔が見えるってことはあったんだろうけど、
公式が顔出し解禁しまーすっていうのは違くない!?とか色んなこと考えている
こちらの気持ちを知ってか知らずか、普通に口上が披露され、普通にロストボーイズの演奏が始まりました。
巧みなライティング技術により相変わらず秋田さんの顔は(あんまり)見えないように
なっていましたが、amazarashiのアイデンティティの一つである紗幕を脱ぎ捨てるのは
さすがに事件でしょ。
4曲目にして予想外の角度から度肝を抜きにかかるamazarashiやべえ(3回目)。
この曲かニムロドか覚えてないんだけど、イントロで豊川さんがちょっとミスってた。個人的にはミスもライブの醍醐味だと思うのでニコニコしながら観てた。
秋田さんも「テニスコート」の入りをミスって「……スコートの~」ってなってた。
あと、アルバム音源の「張り付いて」の裏返り方が嫌いなファンはいないと思うけど、
ライブでも全く同じ裏返り方をしてて、秋田さんの表現力に舌を巻きました。
言い忘れていましたが、紗幕は上がっても奥側のモニター(?)に映像はずっと
映り続けてました。MVとは違う映像だった……と思う。正直覚えてない。
間抜けなニムロド
ここでも紗幕は上がったまま。
ここでようやく、ああ今日はこのままいくのねと自分を納得させ、演奏に集中。
改めて言うまでもないかもしれませんが、いい曲ですねこれ。
このあたりで秋田さんの喉が温まって来たのか、PAさんが音量調整を頑張ったのか、
ボーカルがよく聞こえるようになって、歌詞も耳に入ってくるようになりました。
秋田ひろむの口から発せられる「かわいい」という語彙の破壊力!
正直歌詞の咀嚼自体があまりできていないのであれなんですが、
AメロBメロの優しく語り掛けるような歌い方とサビの疾走感のある歌い方の切り替えが
凄くよかった。
あと2サビ終わりの豊川さんの謎コーラスは結局何言ってるかわかりませんでした。
個人的には I'm NimrodとかCry Nimrod、Fly Nimrodとかって言ってるように聞こえる
んですが、真偽は不明です。質問コーナーがあったら秋田さんに直接訊きましょう。
空洞空洞
確かここで紗幕が再び下りたんだったかな?
紗幕がないことにやっと慣れたと思ったら無慈悲にも下がっていったので
変なところで情緒がかき乱されました。
今作は青森で暮らすことをテーマに作ったアルバム、みたいなことを言っていたので、
納得感のある選曲でした。
メメモリ発売からみらよるツアーまで皆勤賞だったんでしたっけ?
個人的には円盤でしか見たことがなかったので、生で聴くとすごく迫力があって
これもまた火種とかとは違う意味でライブ映えする曲だなあと思いました。
しかし機関銃欲しかったりコンビニでマシンガン買おうとしたり物騒なライブだなあ。
僕が死のうと思ったのは
犯罪です。テロです。殺意が高すぎる。
私がどれほどこの曲を愛しているかはこのツイートとこのツイートをご覧ください。
本当に、人生を変えたと言っても過言ではないどころかそんな言葉じゃ足りないくらい
私にとって大切な曲なんです。
それをまさか生で聴けるとは!!!!
演奏時間のたった0.1秒も見逃し、聴き逃さないよう全力で焼きつけました。
演出も、一切映像は使わず、ステージ上に5本(6本だったかも)立てられた
蝋燭?聖火台?に火が灯っているだけというシンプルな演出。
「曲を聴かせるんだ」ということに対する気合の入りようが凄かった。
この曲がセトリ入りしたのは十中八九、中島美嘉のTFTがあったからだと思うので
中島美嘉さん本当にありがとうございます。
ちなみに中島美嘉のTFTもめちゃくちゃよかったので未試聴の方はこの機会にぜひ。
あんたへ
僕死で放心状態だったこともあって正直ほとんど覚えてない。
イントロにギターか何かのフレーズが追加されてて、新曲か予習忘れかと思った。
末法独唱の音源が何の前触れもなく「はーやーくー!!」で耳つんざく音楽なので
予告があるこのバージョンの方がいいなって思いました。
紗幕の映像はまんまMVだった。秋田さんの歌唱シーンをクソデカいスクリーンで
見るのはなかなかシュールでした。
夏を待っていました
例のセトリ予想的中したやつ。
イントロ流れた瞬間にここで来るんか!とニヤけました。それと同時にアルバム曲が
全て披露されることはないんだろうなと悟って少し悲しくなったりもした。
雅敏が一瞬名前を忘れられかけてた。
穏やかな曲って印象が強かったけど、2サビ終わりの間奏がライブアレンジも
相まってか結構激しくて、意外とテンション上がる曲なんだなって感じました。
あんたへ→これの流れは、曲順こそ違いますが末法独唱を彷彿とさせますよね。
バンドと弾き語りの違いを感じてとてもよかったです。
戸山団地のレインボー
焼け町とアダプテッド死んだああああ!!!(絶叫 絶叫)
とか思う暇もないくらい、演奏も演出もよかった。
初聴きの時も思ったけどしおらしく重労働する扇風機は相変わらず愛おしい。
歌詞に合わせて大量の扇風機の画像が出てくる紗幕映像で思わずちょっと笑った。
ラスサビで秋田さんの上空から虹色のスポットライトが降り注いだり、
「居酒屋~」あたりを歌っている秋田さんの仕草が、上手く言葉では説明できないけど
他のところよりもすごく心がこもっているように感じたりした。
たぶんマイクの位置調整に手こずって歌いながら位置を直してたんだけど、その仕草が
歌詞をこちらに語り掛けてくるためのように思えたんだと思う。
根拠のない自信はもう捨てて 根拠のある自信を探し出せ
たかが太陽光の反射に ほだされて定まった決意じゃねえ
初聴きの時からこの歌詞が好きすぎて、生で聴けて本当に良かったです。
数え歌
これがセトリ入りするって事前に予想できた人いるんですか????
お恥ずかしい話なんですが、この曲1,2回しか聴いたことなくてイントロも全く
印象に残ってなかったんですよ。
戸山団地のあと、ボイコツアーの初雪みたく数字がたくさん降り積もっていく紗幕映像
と共に爆音のギターが流れて、最初はこれから何が起こるのか全くわからなかった。
ギターが終わって「一つ~」と歌い出してやっと「ははあ、なるほど」と。
戸山団地の歌詞で、「苦悩、苦痛」「不平、不満」「失意、挫折」に「希望」という
7つの色彩で虹になる、という解釈をTwitterで見かけたことがありました。
そんな戸山団地のあとにこの曲を入れたのは、上記の仕掛けに気付いていない人に
足し算というキーワードでヒントを与えることが意図としてあったのではないかと。
そしてもう一つ、数え歌が今回のツアーで果たす重要な役割。
ずばり、1.0へのインターリュード的な意味も含んでいるのではないかと私は思います。
「あの夜、紛れもなく0だった」秋田ひろむがamazarashiとしての活動を通して
1.0へと辿り着いたその過程を表現するのにこれほど適任な曲はないでしょう。
直近のシングルのカップリング(鴉と白鳥)を押しのけてまでセトリ入りしたこの曲、
お会いしたフォロワーさんは口を揃えてやべえって言ってました。
私にも今一度言わせてください。amazarashiやべえ(4回目)。
アオモリオルタナティブ
また紗幕上がったが!!?!!?
数え歌のアウトロでイントロ同様の爆音ギターが流れ、1.0を意識して
「そろそろライブの終わりも近いのか……」と考えたのも束の間、
またしゅるしゅるしゅる……と紗幕が上がっていきました。
紗幕を上げた曲とそうでない曲の演出上の意図に思いを巡らせる暇もなく、
何食わぬ顔で演奏が始まるので耳(と目)を傾けました。
……「にけつ」って書き方めちゃくちゃ可愛くないですか?
いや確かに口で言ってもなかなか文字に起こすことはない言葉なので、
どう表記するのが自然なんだって聞かれると答えられないんですけど。
私だったら「2ケツ」とかにしちゃうかなあ。平仮名なの凄い可愛いなって
映像に映し出される歌詞を見て改めて思いました。
12曲目にして相変わらずの口からCD音源。安定感がすごい。
ハイッッボ↑ールゥ!大好き人間の私は音源と遜色ないその歌い方に悶絶していました。
映像の方は、青森の風景がずーっと流れてる感じでした。
アスパムとかみたいなamazarashiの聖地もいくつか映ってて、いつか青森行きたいなあ
と思わされる演出でした。
爆弾の作り方
火種はここに繋げるための伏線だったのか!!
「~~~(全く覚えていない)きっかけ、火種」という口上が披露され、
ん!?1.0じゃないの!?と思っていたら、まさかすぎるイントロが流れてきました。
国道、苦悩、アイデンティティ(ー)……
今にして思えば確かに今回のアルバムに通ずるフレーズがたくさん使われていますが、
APOLOGIES雨天決行でも披露されたこの曲がこんなに短いスパンで再び披露されるとは
微塵も思っていませんでした。
紗幕のフォントも火種と同じだし、スポットライトも赤系の色が多く使われていて、
こりゃ「秋田ひろむは火属性」とかamz民にいじられるのも納得だわ、と。
既にあまりの情報量で爆発しまくっている情緒に遠慮なくガンガン爆撃してくるの、
マジでamazarashiやべえ(5回目)。
空に歌えば
そんな爆弾の作り方から間髪入れずに披露されたのが空歌。
あんたへの入りが耳に優しかった分、こちらは唐突の「虚実をー切ーり裂いて!」で
耳と情緒を破壊してきます。
あんたへ→夏待ちが末法独唱の流れを汲んだ選曲だとしたら、こちらは完全に
APOLOGIES雨天決行を意識した選曲ですね。「雨は上がっていた」という歌詞も
戸山あたりとの繋がりを感じさせます。
しかし、ライブも終盤のこのタイミングでこんなアッパーチューンを歌って、
amazarashiはどんだけ私の情緒を搔き乱せば気がすむんだ。いいぞもっとやれ。
1.0
紗幕映像!!!!!!!!!!!
こう言っちゃなんだけど、正直紗幕映像に集中しすぎて演奏ほとんど聴けなかった。
そのくらいやばい紗幕映像でした。
(……そういやアオモリオルタナティブで上がった紗幕、どこで戻ったんだったかな?
ごめんなさい思い出せません。)
空歌が終わって、メンバーの水分補給などの空き時間。紗幕の右下に「0.6」の文字と
ジャケ写が映し出されます。これだけでもはや感涙モノなんですが、上の方には
0.6収録曲の歌詞がてんでんばらばらに映し出されているじゃありませんか。
縦書きで2行ずつくらい、連続したフレーズばかりでもなく、本当に無秩序に
0.6と爆弾の作り方の収録曲の歌詞が映っていました。
それに気を取られているうちに始まる1.0の演奏。秋田さんが歌い出すと同時に、
1.0の歌詞に書き換えられていく既存曲の歌詞たち。
この演出で感動しないamazarashiファンいるの??
左に向かってスクロールされる画面には、リリース順に各アルバムの収録曲の
歌詞が表示され、演奏が進むにつれてそれを1.0の歌詞が書き換えていく……。
正直演奏なんて聞いてる場合じゃなかった。
なんて言うとあまりに語弊がありますし怒られそうですが、そのくらいのレベルの
神演出でした。
演奏が終わるころ、左下の端っこには「1.0」の文字。
超巨大な年表をイメージした映像なのでしょう。
夕日信仰あたりでamazarashiを知った新参者の私ですらこんなに感動するんですから、
それこそ0.6や青森で路上ライブをしていた時代から追っかけている方々の感動は
計り知れません。私もその感動を味わいたかった……。
ただ、セトリ漏れした焼け町とアダプテッドの歌詞が露骨に映像からもハブられてた
事に関しては抗議したいとだけ言い添えておく。
スターライト
この前にⅯⅭ。
「たくさん来てくれてありがとう。この頃友達と遊ぶ機会が多くて、今作はその中で
感じたことを綴ったアルバム。そういう動機で音楽をリリースしたのは初めてな気が
する。そんな作品が多くの人に受け入れられて嬉しい」
的な感じの内容だったと思う。
その後、ワンテンポ置いて口上。前半はほとんど記憶飛んじゃってるけど、
「何度も問いかける。夜の向こうに答えはあるのか。夜の向こうに答えはあるのか」
みたいな感じからスターライトのイントロへ。
このスターライト1曲でものすごい数の事件が起きてた。
1番のサビ前を「小さな僕だって光るから」と歌ってしまう秋田さん。
一度はそのまま歌い続けるも、「この声を今すぐ」あたりで歌声を止めてしまう。
しかし、「ミスった時こそ涼しい顔」を思い出したとばかりに「空に投げるよ!」
と開き直って立て直し、サビはそのまま一番の歌詞を歌いきる。
その後、2番の同じ部分で「小さな星を見つけたんだ」と歌い出し、サビ前まで1番の
歌詞で歌いきる。もちろん紗幕に映っているのは2番の歌詞なので、歌っている内容と
テロップが一切合っていないゾーンになっていました。
これでこそライブだよ!生身の人間が目の前で歌ってるってことなんだよ!
と、私は心の中で密かにテンションを上げ散らかしていました。
末法独唱では弾き語りで、それゆえの魅力ももちろんありましたが、
生で、現地で、バンドの音を聴けることの素晴らしさを再確認。もちろん演奏陣の
楽器もハチャメチャに格好良かった。これまで聴いてきた中で最高のスターライト
でした。
……ただ1点を除いては。
なんて大仰な書き方をするようなことでもないんですけどね。
紗幕映像に映ってた歌詞が、「胸が張り裂けそうな痛みも」になってたんですよ。
歌や演奏の間違いはライブだからいいけど、事前に作る映像のミスはあかんやろ!!
ボイコツアーの拒否オロジーも「platform」が謎にアルファベット表記だったし、
ちゃんとしてくれ~ってちょっとだけ思いましたね。
ともかく、演奏としてはクライマックスの盛り上がりが最高潮に達する場面で、
ミスのカバーも含めて素晴らしい演奏だったことは確かです。
amazarashiやべえ(6回目)(もはや言いたいだけ)。
空白の車窓から
最高!!!!
もうそれしか言えません。(執筆時点の時刻4:09につき)許して。
まとめ
札幌、というか北海道って漫画や小説も入荷が遅くて発売日から2、3日待たされたり
するし、Amazonなんかの通販もその日のうちに届くなんてことないんですよ。
そんな試される大地、北海道が初日公演だった今回のロスボツアーを、世界最速で
観られたことはマジで何よりの誇りです。この経験だけで通販や物流の遅延に一生
寛容になれる。そのくらい素晴らしいライブでした。
私が皆さんに言いたいことはただ一つだけです。
ロスボツアー、やべえぞ。心してかかれ。
ていうか今日以降の公演に参加する人そもそもこの記事読まなくね????